〜映画「フードインク」上映&TPP問題シンポジウム〜
主催:深谷シネマサポーターズクラブ
「韓じる」シネマウイーク実行委員会
TPP(環太平洋連携協定)への加盟が山場を迎える時期に、私たちの食の問題を考えるドキュメンタリー映画「フードインク」上映とシンポジウム「私たちの食は どこへ」を、深谷シネマサポーターズクラブと「韓じるシネマウイーク」実行委員会としての深谷産業祭参加企画といたしました。
TPPに加盟すると、農水省の試算では食糧自給率はなんと13%になると言われています。TPPが推し進めるグローバリゼイションに対峙する考え方は、ローカリゼイション(地産地消)でしょう。
生産者の立場から、消費者の立場から、地産地消の問題提起をしていただき、分かち合いをしていきたいと思っています。
当日は、地元の野菜の販売や、原料にこだわった「もやしや屋さん」や「豆腐屋さん」。韓国の方が本場の韓国料理を作ってくださることになっています。
「感じる」「学ぶ」「味わう」「楽しむ」そして「つながる」 多くの方のお越しをお待ちしております。
11月12日(土)
〈ガーデン〉10:00 〜
深谷シネマPR&韓じるシネマウイークプレ企画
韓国料理と飲み物販売
〈東蔵〉
@ドキュメンタリー映画『フードインク』上映 (13:00〜)
鑑賞料 1.000円
A「TPPを考えるシンポジウム」 (14:45〜16:15)
参加無料
パネラー:山田 昇 さん(秩父農工科学高校教員)
根岸 芳弘 さん(JAふかや代表理事組合長/生産者)
飯塚 雅俊 さん(深谷のもやし屋「飯塚商店」/生産者)
中西 千恵子 さん(ワーカーズコープ「とうふ工房」/生産者)
清水 洋子 さん(NPOくまがや有機物循環センター/消費者)
嶋田 照子 さん(生活クラブ生協熊谷支部/消費者)
コーディネーター:北川(深谷シネマ理事)
概要報告
1) 当日参加者 のべ約50名(映画有料入場者 28名)
2)シンポジウム内容概要
@山田さんの基調報告
★日本の関税は決して低くない。鎖国というのはウソ
★関税撤廃による農産物への影響は大きい 米は生産が90%減になる
★TPPによる農産物生産は農水省の試算によると1兆9700億円減少。雇用も350万人 以上が失職
★食糧自給率は39%から13%になると農水省は試算している
★食品の安全が脅かされる。国際条約であるTPPによって日本に安全を確保していた食品 衛生法やJAS法などが、アメリカ基準に改悪せざるを得なくなる
★なぜTPPにこだわるのか。既存のASEANを基本とした方が、アジアの経済圏に入る ことになり適している。結局、TPPはアメリカとの二国間条約になる可能性が高い。
★規模拡大だけの農業政策は破綻している。多角的で地域が持続的に発展する農業を。
★アジア圏にある日本の環境条件にあった農業の追求が必要。
A分かち合い内容要点
A)食糧自給率について
★TPPによって関税が撤廃されると主食である米はかつての麦と同じ道をたどることにな る。主食を自給できない国に未来はない
★世界人口が増加し、中国が食糧輸入国となり、地球温暖化で食糧が不足するようになった 時に、日本が食糧を輸入できる保障はない。食糧安全保障をしっかり考えるべきである
★ありあまる食糧を捨てている日本になって食糧自給率だけでなく、捨てている食糧の残飯 率を問題にする必要がある。世界の食糧分配の不公平さも問題。
★種が独占企業に支配されている中で、農業生産は独占企業の手に握られている
B)食の安全について
★JAも農薬散布の仕方など安心安全に最大の配慮をしている。
★とうふ屋は、生産者であり消費者である。いくら安心安全なとうふを作ろうとしても安全な大 豆が手に入らなくなる恐れがある
★遺伝子組み換えは大きな問題である。TPPによってそれが表示されなくなる恐れがある
C)地産地消について
★生活クラブ生協は契約農家に安全な菜種などを生産していただいている
★とうふ工房も大豆を契約農家から買っている
★JAは多くの産地直売所を持っている。
★これからは生産者と消費者が手をつなぐことが大切である
3)実行委員会振返り
@成果
★タイムリーな企画で。TPPと地産地消について考える機会を提供できた。
★今日的意義のある映画と企画だった。
★深谷の主産業である農業をとりあげ、産業祭の一翼を担うことができた。
★いままであまり深谷シネマと縁がなかったJAに参加していただき、繋がりができた。
★さまざまな立場の方の意見を聞くことができた。
★ローカリゼイション(地産地消)が大切であると再確認できるものとなった。
A課題
★参加人数が少なかった
★原発は目の前で起きている問題であり関心が高いが、TPP問題は原発に優とも劣らず日 本社会を変えてしまう重大な問題にもかかわれず、これから起こる問題であまり関心を持 つ人が少なかったのも事実。どう今後広げていくかが課題。
★欲張りすぎて時間が足りなかった。フロアーとの交流もできなかった。
★映画の有料入場者が少なく採算割れをしてしまい、深谷シネマに負担をかけてしまった
★土曜日は集客が難しい。今後は日曜日で。
★採算を考えると、映画は映画館でイベントは東蔵で、を基本とした方が良かった。